K N B vs. K の状況、日々のゲームの中ではめったに起きないシチュエーション
ですが、メイトに至るまでは、ほどよい難しさで自分は気に入ってます。
メイトに持っていくパターンにハマれば、そこから先は難しくないですが
なかなかパターンにハマらず、50手ルールでドローになってしまうことも多いです( 自分 )。
相手の単独キングをボードの角の方に追いつめていく方法を、新たに思いついたため記事にしました。完全な方法ではありませんが、覚えやすい方法なので有効に感じます。
この方法を思いついたのは自分なりに考えていたことと、下記 URL の動画が
参考になりました。
How to Checkmate with Bishop and Knight ( Youtube )
https://youtu.be/r3EqM17jvOc
新たに思いついた方法を使う前に、K N B vs. K でメイトに持っていく一連のパターンを
知っていることが前提になっていますので、ご存知ないようでしたら、Part 1 の記事から
ご覧ください。
K N B vs. K Part 1
それでは早速、新たな方法を見ていきましょう。
黒キングをメイトするためにはビショップと同色マスの a1 または h8 の角マスに
黒キングを追い込んでいきますが、黒キングをその角マスになかなか追い込めないことがあります。
まず、黒キングを上図で表しているように、ビショップと同色マスの4マス
あるいは5マスの斜線の外側へ追いやり、その斜線の外側に黒キングを閉じ込めるようにしていきます。
上図の場合、メイトに至る h8 の方に閉じ込めたいですが、a5 → d8 の
斜め4マスの外側に追いやり、黒キングを閉じ込めることでも大丈夫で、その場合の方が多いでしょう。
何故、ビショップと同色の4マス、または5マスの斜線の外側に黒キングを閉じ込めるかというと、上図であれば a8 の方に黒キングを閉じ込めれば、そのままメイトに持っていけるのと、a8 の方に閉じ込めた場合は、ナイトを W の形に動かしていくメイトパターンにつながるからです。
ちなみに、白マス ビショップの場合は下図のような 4マス、5マス のラインになります。白キングとビショップで黒キングの動きを制限させる関係上、ビショップと同色の 4マス、5マスラインに注目します。
参考手順を見ていく前にもう1つ、黒キングをビショップと異色マスに追い込んでいく場合、白キングとナイトをどこに持っていけば良いかがあります。
黒キングをビショップとは異色マスの a8 に追い込む場合は、白キングを赤い四角で囲っている位置関係で c6 に配置するようにします。
ナイトは緑丸で示しているように、b6 か c7 に配置します。これはナイトで a8 を支配し、黒キングの動きを制限するためと、ナイトを W の形に動かすメイトパターンに持っていくためです。
ビショップは状況により、a7 か b8 のマスを支配することになります。
白キングとナイトをどこに配置するか分かっていると分かってないとでは、対応速度が大きく変わるでしょう。
では参考手順を見ていきます。
白先手
黒キングをビショップと同色マスの、4マス、5マス斜線の外側に追いやるには
まず、白キングを黒キングに近づけていきます。
黒キング側としてはメイトされない a8 または h1 方向へ向かいますが、すぐ a8 または h1 に向かおうとすると、メイトにいたる一連のパターンを知っているプレイヤーにとっては、パターンにはめ込みやすくなるため、メイトされる心配がないセンター付近でうろうろするのが黒キングの防御策となります。
1.Kc3 Ke6 2.Kd4
黒キングを緑丸ラインの外側に追いやるのですが、まだ黒キングは緑丸ライン内に
います。赤で囲ってあるマスは緑丸ライン内で黒キングがいけるマスで、その赤マスに黒キングがいけないようにしていくことで、黒キングを緑丸ラインの外側へ追いやることができます。
2...Kf5 3.Ke3 Ke6 4.Ke4 Kf6 5.Ng4+ Ke6
黒キングはまだ緑丸ライン内にいますが、徐々に外側へ追いやられていきます。
白側は、緑丸ラインと、赤色マスを意識しつつ、黒キングを緑丸ラインの外側へ追いやっていきましょう。ちなみに参考手順は自分で考えて指しているもので、最善手ではありませんのでご了承ください。
6.Be5 Kd7 7.Kd5
緑丸ライン内では黒キングが動けるマスはなくなりました。このようになってくると、緑丸ラインの外側に黒キングを追いやっていくために、ビショップを緑丸ライン上に配置することが多いです。
黒キングは、メイトが早まる h8 方向へは行きたくないですが、後退しない 7...Ke7 は悪くないでしょう。
7...Ke7 8.Nh6 Kd7 9.Bf6
Bf6 が d8 と e7 を支配しているため、黒キングは c7 か c8 または e8 にしか
いけませんが、9...Ke8? とすると 10.Ke6 で黒キングは5マスラインの外側に閉じ込められ、メイトまで早まります。
参考変化( 下図 )
9...Ke8? 10.Ke6 Kf8 11.Ng4 Kg8 12.Ne5 Kh7 13.Bg5
ナイトとビショップの利きだけで黒キングは閉じ込められており、ここからの
メイトの仕方を知っていればメイトは容易です。ちなみに上図のナイトとビショップの配置は黒キングを閉じ込めるための重要パターンです。
9.Bf6 に戻ります。
9...Kc8 だと 10.Kc6 ですぐに黒キングは緑丸4マスラインの外側に閉じ込められるため、9...Kc7 です。黒側としてはできるだけ後退をさけるという点からも 9...Kc7 です。
白としては、黒キングを4マスラインの外側に閉じ込め、白キングを c6 、ナイトを b6 か c7 に配置することを考えていきます。
9...Kc7 10.Nf7 Kb6
白キングが c6 にくることを妨げる 10...Kb6 が黒としては良いでしょう。
黒キングを4マスラインの外側に閉じ込めるため 11.Nd6 で b5 を支配します。
10...Kb7 には 11.Bd8 Kc8 12.Ba5 Kb7 13.Kc5 Ka6 14.Bb6 Kb7 15.Nd6+ Ka6 16.Bd8 で白キングを c6 に配置できるようになります( W パターンに向かう )。
11.Nd6 Ka5 12.Kc5
12...Ka4 で4マスラインの内側に入ってきますが、その場合 13.Bc3 で今度は5マスラインの外側に閉じ込められ、メイトまで早くなります。
12...Ka4 13.Bc3 Kb3 14.Kd4 その後 ナイトを d4 に、ビショップを b4 か d2 に配置して黒キングを閉じ込めるようにします。
以上のことから 12...Ka6 の変化を見ていきます。
12...Ka6 13.Bd8
これで黒キングを4マスラインの外側に閉じ込められました。
白キングも c6 にいけ、後は黒キングの動きを見ながらナイトを b6 か c7 に配置します。
ステイルメイトに十分注意です。
13...Ka7 14.Kc6 Ka6 15.Nc4 Ka7
注意が必要な局面です。この状況でナイトは b6 に配置しますが、先にビショップで
b8 のマスを支配しておくことがスムーズに W パターンに持っていくために必要なため
覚えておきたいです。ワンテンポ 違うことで、あれっ? W のパターンにハマらないな??? ということが経験上よくあります。
16.Bc7! Ka6
再び注意が必要な局面^^;
17.Nb6 は W パターンのテンポがづれ難しくなります。
17.Bb8 はステイルメイト。
17.Bd6! Ka7 18.Nb6 Ka6 19.Bb8
この局面が W パターンを開始する形のため、この形に持っていくことが
途中のミスをなくすことになります。パターンを知らなければここから先も
難しいですが、知っていれば簡単です。
続きの参考手順
ここから先は W パターンでメイトに持っていくため、知らない方は下記記事をご参考にしてください。
ワンポイント!
ここまでくると、黒キングは a1 と b1 しか動けずメイト間近の局面ですが
機械的にメイトするにはナイトを c3 の位置に持ってくる形にします。
Nb5 Kb1 Nc6+ Ka1 Bb2# など。
上図で黒キングの位置が b1 の場合も
Nb5 Ka1 Bb2+ Kb1 Nc6#
だた、ナイトが d2 にあるとステイルメイトになる場合があるため注意です。
記事が長くなりましたがもう少しだけパターンの紹介。
K N B vs. K では相手の単独キングを閉じ込めるパターンと
後列に追いやるパターンを知っていると助かります。
ビショップを a5 に持っていくと 黒キングを閉じ込めるパターン。
このナイトの位置で閉じ込めるのは知りませんでした。
白キングの位置も関係しますが。
最後までおつき合いありがとうございました。
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