3つの候補手 と 3つの応手


前回 記事 からの続きです。

相手の応手で思い浮かばない手があるとき、どうしたら良いでしょうか?
について考えていきます。

19.Rxb1 の局面


weismonsters vs. hitsujyun ( lichess )

上局面で 19...Qd7 20.Nxa5 Bxa4 とした後、どうなるか分からなかった
という件ですが、どうなるか分からず、相手の応手を考えてなかったのが
21.Rb7 の手に気づかなかった原因の1つです。

他の候補手を考えなかった時の傾向 」の記事 で述べましたが
少なくとも候補手を3つ、相手の応手を3つ考える、ということ。

3つでは少ない場合も多いですが、自分の場合3つも考えてないということが
結構あります( 短時間ゲームということもありますが )。

候補手3つ、それぞれの候補手に対して相手の応手を3つ、さらにそれらの
応手に対してこちらの候補手を3つ・・・ と考えていくと、3つの変化が
膨大に増えていき、ばかになりません。

可能性のある手を多く考えることは悪くないですが、要点としては
3つは考えよう、ということです。


19.Rxb1


ということで、上局面から 19...Qd7 20.Nxa5 Bxa4 の後、3つ以上
相手の応手を考えてみます。

ちなみに 黒の19手目、白の20手目も本来は3つ以上考えますが
今回は省略します。

21.Rb7 はゲーム中に気づかなかったため、それ以外の手を考えることに
します。また、分析ボードで駒を動かして考えれば簡単なことなので
分析ボードは使わず考えます。


19.Rxb1


19...Qd7 20.Nxa5 Bxa4 の後  考えた手は
21.Rb8  21.Bh3  21.d4  21.Ra1

このように考えていたら 21.Rb7 に気づけていたでしょうか?

上記4つの変化は、いずれも黒がすぐ不利を招くという訳ではないですが
一応それぞれ考えていきます。
また、実際には他の手も考えてますが、すべての変化を考える訳ではないため
候補をしぼってます。


19.Rxb1


19...Qd7 20.Nxa5 Bxa4 21.Rb8

21...Bc6  22.Nxc6  22.Nc4  他の手は候補に入らず
21...Qa7??   22.Bxa7
21...Qc7   22.Rb7  22.Rb6  22.Rb4

続きの変化も考えてますが、長くなるので省略してます。
21.Rb8 は Rb8 が守られてないため良くなさそうです。


19...Rxb1


19...Qd7 20.Nxa5 Bxa4 21.Bh3

21...Qxh3 22.Qxa4
21...g4 22.Bxg4
21...e6 22.Ra1 22.Nc4 22.Rb7

21.Bh3 は 21...Qxh3 とされると白としてはおいしくないような?


19.Rxb1


19...Qd7 20.Nxa5 Bxa4 21.d4

21...Bc6  22.d5  22.Nxc6  22.Rb6
21...0-0  22.d5  22.Ra1
21...g4  22.d5  22.c4  22.Qb4  

21.d4 は悪くなさそうですが、21.Rb7 には劣ります。
Nc4 とした時にポーンで守れなくなるという点もあります。


19.Rxb1


19...Qd7 20.Nxa5 Bxa4 21.Ra1

21...Bc6  22.Nxc6  22.Nc4  22.d4
21...Bb5  22.c4?? Bxa1  22.Rb1?? Bxd3  22.d4
21...Bc2  22.c4?? Bxa1  22.Bf1

21.Ra1 もダメではないような? チェスソフトで分析を見てないと
自分が気づかない手が多かったり、ミスが多くなる傾向はありますが
自分で考えることにより、駒を動かさず先の局面を読む能力は向上する
でしょう。


長くなりましたが、21手目以降を考えるとだいたいこんな感じで
実際のゲームでは時間の関係もあり、こんなに考えることはまずないですが
3つの候補手 と 3つの応手 を考えることは大事に思います。 

皆さんはどのように考えられたでしょうか?
お付き合いありがとうございました。

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