Exchange Variation


いくつかの定跡で Exchange Variation があり、それぞれ ポーントラクチャー
が異なるため、どのような展開になるのか以前から気になってました。

自分でも使っているのは French Defence の Exchange Variation で
他にも時々 別の Exchange Variation に遭遇します。

同じ局面でも、異なる手順でその局面に達すると、何の Exchange Variation
なのか分からないことがあります( 自分 )。

自分の知らないものもありますが、メジャーな Exchange Variation の局面を
まとめておきます。何でもかんでも Exchange Variation ではつまらないですが
使ってみたいものもあるでしょう。


1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Bxc6 dxc6


Ruy Lopez Exchange Variation。白 Bb5 と 黒 Nc6 を交換してできる
局面。黒にダブルポーンができるが、ビショップペアの利点がある。
黒はピース交換を控え、ピース活用が課題とのこと。

自分が使ってない定跡でも、どのような戦いになるのか気になります。


1.e4 e6 2.d4 d5 3.exd5 exd5


French Defence Exchange Variation。e ファイルがオープンファイル
となる左右対称の局面。オープンファイルでメジャーピースの交換が
起きやすい。ドローになりやすいと言われるが、実力差で勝敗が決ることが
多い。

1.e4 とするなら French Defence に対し Exchange Variation を選択するのも
1つの方法。個人的に白番で最近は c2 → c4 とする変化を試していますが
始めは c2 → c3 とした方が無難。Nc3 とするのは 0-0-0 する可能性が
ありますが、始めは Bc1 を展開してから Nb1 → Nd2 とする方が戦いやすいでしょう。


1.e4 c6 2.d4 d5 3.exd5 cxd5


Caro-Kann Defence からの局面。
4.Bd3 Exchange Variation
4.c4  Panov–Botvinnik Attack

c と e ファイルがハーフオープンで、白 d4 黒 d5 いずれもポーンで
守ることができ、どのような戦いになるか興味深い。
白は両ビショップで黒のキングサイドを攻めやすいが、黒は e7 → e6 と
する前に Bc8 を展開させるかどうか。

4.c4 とすると d4 ポーンがいずれ孤立ポーンとなるが、独自の戦い方がある。

1.d4 d5 2.c4 e6 3.Nc3 Nf6 4.cxd5 exd5
後で紹介する Queen's Gambit Exchange Variation を白黒反転させた形
にもなりやすい。


1.e4 Nf6 2.e5 Nd5 3.d4 d6 4.c4 Nb6 5.exd6 exd6


Alekhine Defence Exchange Variation。オープン e ファイルができるが
左右対称ではない。黒は Nc3、Bf8 → e7 → f6、白 Nf3 に Bg4 などで
白 d4 ポーンにプレッシャーをかける。d6 → d5 で 白 c4 → c5 を誘うなど。
d4 ポーンがバックワードポーンになったり、白 c ポーンと、黒 d ポーン交換から
孤立 d4 ポーンになると狙われやすくなる。

Alekhine Defence は、そう多く遭遇することはなく、Exchange Variation
を選択するかどうか迷う( 定跡を忘れやすい )。ただ、局面としては
面白みがある。


1.e4 Nf6 2.e5 Nd5 3.d4 d6 4.c4 Nb6 5.exd6 cxd6


5...cxd6 とするのも有効。こちらは c と e ファイルがハーフオープン
となる。黒は d6 → d5 だけでなく、e7 → e5 とする可能性がある。

白はクイーンサイド、黒はキングサイドでポーンマジョリィティ。


1.d4 d5 2.c4 e6 3.Nc3 Nf6 4.cxd5 exd5


Queen's Gambit Declined Exchange Variation。
c と e ファイル が ハーフオープン。白はセンター、黒はクイーンサイド で
ポーン マジョリィティ。白は Bg5 Qc2 e3 Bd3 Nf3 などの好形を作る。

黒が c7 → c6 とした場合、白が Rb1 から b2 → b4 → b5 と c6 ポーンに
ぶつける Minority Attack など。

e6 にポーンがないため、黒も両ビショップを活用しやすい。


1.d4 d5 2.c4 c6 3.cxd5 cxd5


Slav Defence Exchange Variation。オープン c ファイル の左右対称
の局面。黒が白と同じ駒の展開をしていくと、ドローになりやすいと言われる。
そのため、2...e6 から 3...c6 で Semi-Slav にすることがある。

Bc1 は g5 ではなく f4 に展開することが多い。Bg5 とすると
Nf6 → Ne4 で Bg5 が攻撃を受けるため。
ちなみに先程の QGD では Bg5 とするが、Nf6 が Bg5 にピンされているため
Nf6 → Ne4 とできない。

ドローになりやすいと言われますが、アマチュア 同士ならば1手のミスで
勝敗が分かれることも多いでしょう。


1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.cxd5 Nxd5 5.e4 Nxc3 6.bxc3


Grünfeld Defence Exchange Variation。こちらは遭遇することが
少ないかも知れませんが、局面としては面白いです。白はポーンでセンターを
支配し、黒は Bg7 c7 → c5 Nc6 Bg4 などで d4 ポーンにプレッシャー
をかけていきます。

Grünfeld Defence では Exchange Variation がメインラインとなってます。


他にも Exchange Variation はあると思いますが、ここまでとします。

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