K N B vs. K Part7


すでに勝勢となっていても相手がリザインしない時、K N B vs. K の状況に
持っていき、その状況の練習をさせてもらってます。


K N B vs. K はコンピューターが相手だと同じようなパターンの動きを
してくることが多いのでパターンにはめやすいですが、人間相手となると
中々パターンにはめられない、ということが経験上よくあります。

K N B vs. K について、かなり対応力は高まったものの、まだ不十分に感じます。
ただ、不十分に感じるからこそ、ではどうすれば良いのだろう? 
何が足りないのだろう? ということを考えるので、対応策がが浮かべば
改善になります。


さて、今回のテーマは 逃げ道を塞ぐ です。
今まで意識してこなかった見方をしますので、ご参考になれば幸いです。


黒先手


Part5 の記事では、ビショップと同色の4マス、5マスラインの外側に
白キングを追い出す内容でした。



Part6 の記事では、白キングをセンター4マス、センター16マスから
追い出すことと



白キング周辺の、支配しているマスと、支配してないマスに注目して
白キングを後列へ追いやっていく内容でした。
これらのことは今でも役立っていますが、これだけでは不十分でした。



今回は白キングの逃げ道に注目します。ポイントとしては
ビショップと異色マスが、白キングの逃げ道となりやすい
です。

上局面で、ビショップと異色の白マスが、白キングの逃げ道となりやすいため
その逃げ道を塞いでいくことで、白キングの行動範囲を狭めていくことが
できます。



白キングはビショップと同色の5マス ラインの外側にいますが
5マスラインの外側に白キングを閉じ込めるのは意外に難しいです。

ただ、今回の逃げ道を塞ぐことを考えれば、かなり対応しやすくなると
思われます。


黒先手


白キングの逃げ道としてまず、b5 と e2 の白マスが考えられます。
ビショップを白キングに取られないよう気をつけながら、逃げ道となる
白マスは、黒キングとナイトで塞いでいきます

黒先手ですので、1...Kc5 で b5 の逃げ道を塞ぎます。


1...Kc5 2.Kb3


黒キングが動いたため、今は e2 d3 の白マスが逃げ道となってます。
2...Nf4 ですぐにその逃げ道を防げますが、すぐ、逃げ道を防げないことも
あるため、そのような場合はとりあえず、近い方の逃げ道、d3 を塞ぐことを
考えたりなど。

2...Kb5 3.Kc2 Nf4


2...Nf4 も可能ですが、2...Nf4 3.Ka4 となるより、2...Kb5 が良いでしょう。

上図から 4.Kb3 とされると、ちょっと困ります。


4.Kb3


黒キングを動かすと 5.Ka4 や 5.Kc4 とされます。
ナイトを動かせば 5.Kc2 

ここはパターンとなりますが、4...Kc5 5.Ka4 Ne3 6.Kb3 Nd4+ で
閉じ込めパターンに持っていきます。ただ、4...Ne3 とすぐにナイトを動かすと
4...Ne3 5.Kc2 Nd4 6.Kd3 で逃げられるため気をつけましょう。


4...Kc5 5.Ka4 Ne3 6.Kb3 Nd4+


7.Ka4 には 7...Bd2 8.Ka3 Kb5 9.Kb2 Ka4 などで白キングを a1 に
追いつめていけます。


別変化 5.Kc2 Kc4 6.Kb2


ここで黒キングを動かすと面倒になるため、Nf4 → Ne3 → Nd4 
として、白キングに逃げられないか確認してからそうします。
6...Ne3 7.Kc2 Nd4+ で閉じ込め OK

もう1つ、参考例を見ていきましょう。


黒先手


ビショップと異色マスに注目することで、白キングの逃走ルートが
見えてきます^^;

逃走ルートを黒キング、ナイトで塞ぐとともにビショップの位置も
考えていきます。


黒先手


白キングが a4 に向かう場合と d7 に向かう場合、両方考えますが
黒先手のため、1...Ng8 2...Nf6 で e8 d7 の逃げ道を塞ぐことを
考えました。


1...Ng8 2.Kb5 Nf6 3.Ka4 Kc4 4.Ka3


このような状況で、今まで Nd4 と Bb4 または Nd4 と Bd2 で
白キングを閉じ込めようとして、逃げられてしまうことが多かったため
まずはナイトを f4 に持っていき、逃げ道を塞ぐ形にする方が良いかなと
思います。


4...Nd5 5.Ka4 Nf4 6.Ka3


このように白キングの逃げ道を塞ぐ形を作ってから、ナイトを d4
ビショップを d2 または b4 に配置して閉じ込めるのが手堅いです。


別変化 1...Ng8 2.Kc7 Nf6 3.Kb6


黒キング、ナイトは動かしたくないため、ビショップを動かしますが
3...Bb4 4.Kb5 Bc5 5.Ka4 Kc4 6.Ka5( 下図 )



6x7マス斜線上にあるビショップの位置が悪く、この局面から白キングを
a1 または a8 に追い込んでいくのは難しいです。
逃げ道を塞ぐテーマとは異なりますが、ビショップが6マス斜線上にあり
白キングを追い込んでいくのが難しい時は、下図のパターンが有効です。


6...Be7!


ナイトとビショップで壁を作ることにより、白キングを閉じ込めており
白キングを a8 に追い込みやすくなります。以下、参考例

6...Be7 7.Ka4 Kc3 8.Kb5 Kb3 9.Ka5 Bb4+ 10.Kb5 Ka3 11.Kc6 Ka4 12.Kb6 Be7 13.Ka6 Bd8( 下図 )



このようにビショップと同色の4マスラインの外側に追い込めるようになり
あとは白キングを a8 に追いやり、パターンにはめます。

以上、長くなりましたが、今回のポイントをおさらいすると

1.ビショップと異色マスが逃げ道となりやすい
2.逃げ道を塞ぐ
3.逃げ道を塞いだら閉じ込めパターンに持っていく
4.ビショップが6マス斜線上にある時、壁パターンを検討する

の4つになります。
最後まで ご覧いただき ありがとうございました。


追記 ( 2019年 12月 3日 )


ビショップが 6マス斜線上 にある時、壁パターンがもう1つありましたので
画像を記載しておきます。ビショップが6マス斜線上にある時、ナイトと
ビショップで壁パターンを作り、相手の単独キングを閉じ込めるのは
かなり有効です。


ちなみに前述の壁パターンは、Bg4 Nf3 でした。
いずれもビショップが6マス斜線上にある時です!

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