Chess960 ポーンをどう進めるか?


チェス960 で どのようにポーンを進めれば良いか? 迷うことがあります。

自分なりに考えてきたことは、Chess960 で基本的な初手は3つ。

1.ビショップ または クイーンの利きを開く手。
2.d4 または e4、センターにポーンを進める手。
3.ナイトを展開する手

これだけではないですが、今でもこれは考えてます。
そして、最近 新たに考えるようになったことは、ビショップとポーンの関係を考えて
ポーンを進める、ということです。

以下、参考例で見ていきます。



自分が Chess960 で まず考えることは、守られてないポーンはあるか?
チェックしてます。上局面では f ポーンに守りがないため、注意するように
します。黒が ...Nxf2 でメイトや駒損を防ぐため。

また、今は守りのあるポーンでも、ピースを展開することにより、守りがなくなるポーンについても気に留めておきます。例えば a2 ポーンは Bb1 が展開すると守りがなくなるため、注意しておきます。



次に考えていることは、キャスリングについてです。Chess960 では
キャスリングの影響が大きく、どちらにキャスリングすべきか?
あるいはキャスリングすべきでないか、考えます。

上局面では、初手に 0-0-0 することも可能で、0-0 は2つのナイトを
展開させないとできません。また、ポーンをどう進めるかによって、キングの
安全性が関わってくるため、キャスリングとキングの安全性についても
考えます。何やら面倒な感じがしますが、慣れてくればそれほどでもありません。

上局面では 0-0-0 の方がしやすいですが、ビショップの利きを開くのに
b と c ポーンを動かす必要があるため、0-0-0 するのはキングの安全上
好ましくない感じがします( 状況による )。



前置きが入りましたが、ポーンをどう進めるか? について考えていきます。
以前は、ポーンを進めるにあたり、ビショップ、クイーンの利きを開く、
センターを支配する、ことぐらいしか考えてませんでしたが、現在は

1.自分側のポーン と ビショップの関係を考える。
2.相手側のポーン と 自分側のビショップの関係を考える。
3.センター支配
4.ポーンブレイクの影響を考える。
5.ポーンがぶつかる影響を考える。

など、考えてます。2 と 5 についてはこれまで考えてなかったことが
多かったです。

参考例で見ていきましょう。


1.自分側のポーン と ビショップの関係を考える。

先程 記載しませんでしたが、自分側のポーンとクイーンの関係も必ず
考えますが、より注意が必要なのは、自分側のポーンとビショップの関係です。

というのも、ビショップは2つあるため、片方は活用しやすいが、もう片方は
活用しづらい、というようなことが起きやすいからです。

Good Bishop、Bad Bishop という用語があるように、活動的なビショップと
そうでないビショップがありますが、できる限り2つのビショップを活用しやすいようにさせます。



自分側のポーンとビショップの関係を考える時は、ポーンがビショップの活動を
妨げることがないようにするのと、動かしたポーンの安全性を考えてます。

上局面では b2 → b3、 c2 → c4 とまず考えられますが、例えば
c2 → c3 とすると Bb1 の利きは開いても、Ba1 の展開がブロックされます。

また d2 → d4 とするとやはり Ba1 の利きがブロックされ
黒の e ~ h サイド に対する脅威が弱まります。Ba1 が d4 ポーンを
サポートすることはあるので、必ずしも d2 → d4 が悪いわけではありません。



b2 → b3 では b3 ポーンが a2 ポーンを斜めから攻撃されることを防いで
いる面もありますが、b2 → b4 では b4 ポーンに守りがないため
そのことから不利を招く可能性があります。
b2 → b4 だとスペースを得られる利点もありますが。

長くなるので書きませんが、このような感じに、自分側のポーンとビショップの関係を考えてます。ポイントとしては、両方のビショップをできる限り、活用しやすいようにするということです。

1つ付け加えると、上局面ではキングの安全性の面から b2 → b3 から
c2 → c4 を早期に行うことはリスクがあるため、0-0 できるようにすることを
考えます。ただし、黒の両ビショップが e ~ h サイドに攻撃しやすいため
それを考慮するのと、相手の指し手を見ながら。


2.相手側のポーン と 自分側のビショップの関係を考える。


1.b3 Nf6 2.f3 d5


自分側のポーンとビショップの関係は必ず考えるでしょうが、相手側の
ポーンと自分側のビショップの関係は考えてない、ということはないでしょうか?

例えば上局面で Ba1 の利きはよく通ってますが、黒が c7 → c5 から
d5 → d4、あるいは Nf8 → Nd7 から e7 → e5 となると Ba1 の
利きがブロックされます。3.d4 とするのは悪くないでしょうが、Ba1 の
利きがブロックされるのと、3.d4 とした後に c2 → c3 とするとさらに
Ba1 を活用しづらくなります。

よって Ba1 が活用しづらくなる前に 3.Be5 などとすることも考えられ
ます。


1.b3 Nf6 2.f3 d5


0-0 する前にナイトを展開させなければならないため、3.d4 から
Ne3、 c2 → c4 とするのは悪くないと思います。ただ、黒が何を指して
くるかにより、対応が変わります。

記事が長くなるので1例のみですが、相手側のポーンと自分側のビショップの関係
を考えるのは、どのようにポーンを進めたら良いかの参考になります。


3.センター支配

センターを支配については、下記4つのことを考えながら行ってます。

自分側のポーン と ビショップの関係を考える。
相手側のポーン と 自分側のビショップの関係を考える。
ポーンブレイクの影響を考える。
ポーンがぶつかる影響を考える。

これらを考えずに、ただセンターを支配しようとしてもミドルゲームから
戦いづらくなります。


4.ポーンブレイクの影響を考える。


1.b3 Nf6 2.f3 d5


白が3手目に何を指すかによりますが、ポーンブレイクの影響を考える
必要があります。ポーンブレイクは単に break と呼ばれますが、「 前進してブロックされている敵PにPをぶつけて(特にRのために)ラインを開こうとすること。
チェス用語小辞典(英和)から引用。

上局面で言うと、3.d4 とした場合、3...c5 や e7 → e5 の影響を
考えるということです。また、3.d4 から e2 → e4 とした場合どうなるか
など。

ポーンブレイクが起こる場所は分かりやすいですが、自分側の両ビショップが
活用しやすくなることを忘れないようにしてます。


5.ポーンがぶつかる影響を考える。


1.b3 b6


2.c4 とすると 2...c5 となる可能性が考えられます。2...c5 となるのは
予想しやすいですが、同ファイル上でポーンがぶつかり合うことは、局面に
より、見落としがちになりやすいです。


2.c4 c5


例えばこの局面で 3.e4 としようとするなら、3...e5 となったら
どうなるか? 必ず考えるようにします。3.e4 とすると Ba8 の利きを
ブロックしますが、Bb1 の利きもブロックされます。

さらに 3...e5 とされると Ba1 の利きもブロックされ、両ビショップを
活用しやすいようにするという観点からはよろしくない感じになります。

ならば3手目に何を指すか考える、といった感じです。
3.Nf3  3.d4  3.Ng3 など考えられますが、3.d4 とする場合
ポーンがぶつかる 3...d5 と黒が指してきたらどうなるか?
必ず考えます。

3.d4 に対して、3...cxd4 は考えても 3...d5 は考えなかったといことが
起こりがちです。

いずれにせよ、ポーンのことだけ考えるのではなく、自分側の両ビショップとの
関係を考えることで、ポーンをどう進めれば良いか、の参考になるでしょう。

欲を言えば、相手側のポーンと相手側のビショップの関係も考えられると
良いかなと思います。



長い記事のなりましたが、最後におまけです。
斜線を意識して見ることで、何かに気づく場合もあるというもの。






意識する斜線は、ピースの利きに関係したラインや、目立つラインが多いですが
















このように、白マス、黒マスごとに斜線をざっと見るだけで、何かに気づく
場合もあるでしょう。

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