K B B vs. K


相手の単独キングを2つのビショップとキングでメイトへ持っていく方法は基礎的なエンドゲームの本で大抵紹介されていて、それを見ると簡単そうに思えますが、実際ゲームでその状況になった場合
タイムプレッシャーがかかると最後のつめが上手くいかず、相手キングに逃げられたり、ステイルメイトになったりする可能性が高いです。

自分自身、K B B vs. K でメイトに持っていく方法を理解してなかったので、今回記事にして覚えておこうと思いました。

稀にしか起きない状況なので、覚えていなくても問題ないのですが、チェスプレイヤーとしては覚えておきたい気持ちがあります。これは K N B vs. K でもそうなのですが、理解したと思っていても、実際のゲームでその状況になると、結構ミスすることがあります。特にボードの横向きで覚えたパターンが、縦向きの状況になった時など間違えやすいです。

K B B vs. K でメイトの仕方はいろんな方法がありますが、本やサイト、動画などを参考にして自分なりに覚えておきやすいパターンを考えました。1番良いのはご自分で覚えておきやすいパターンを考えることだと思います。

参考にさせていただいた記事
ももチェス王国の侵略!! KBBK教室!! 
http://makedoodle.blog.fc2.com/blog-entry-570.html



ポイント1
2つのビショップを隣り合った斜線に並べて黒キングの行動範囲を狭めていきます。

上図であれば、1.Be8 とするより、1.Bc3+ とする方がいいでしょう。この時、覚えておきたいパターンとして、黒マスビショップは a1 - h8 ライン上に、白マスビショップは a8 - h1 ライン上に持っていくことで、黒キングの行動範囲を制限させやすくなります。


1.Bc3+ Kd5


この局面では白マスビショップを a8 - h1 ライン上に持って行かなくともすでに、a1 - h8 ラインと
b1 - h7 ラインで黒キングの行動範囲を狭めていますので OK です。

ちなみに黒キングの位置に関係なく、2つのビショップが a1 - h8 ラインと a8 - h1 ライン上にあると
センター4マスを支配しているため黒キングの行動範囲を狭められます。



ポイント2
2つのビショップで黒キングの行動範囲を狭める形になったら、2つのビショップを黒キングからできるだけ遠ざけます。これは白キングを活用しやすくするためと、ビショップが黒キングに攻撃されることを避けるためです。

ただし、ビショップを黒キングから遠ざけなくても、黒キングの行動範囲を狭められる手がある時は、遠ざける必要はありません。上図で、2.Bf7? とすると、2...Ke4 で黒キングを追いつめていこうとする逆方向に黒キングが逃げるため、この場合は 2.Bb2 または 2.Bg7 などとビショップを黒キングから遠ざけます。

この方法は最短手順ではないですが、覚えておきやすいことと、短時間でメイトに持っていくためのパターンです。


2.Kb2 Ke6


ここで白キングを黒キングに近づけていくのもいいですが、黒キングに上手く逃げられると行動範囲を狭めずらいので、あえて 3.Bb1 とします。


3.Bb1 Kd5


ポイント3
このように2つのビショップが端列近くで並ぶと、黒キングの行動範囲を狭めていきやすいパターンになります。

次は白マスビショップを a2 - g8 ライン上に運び、黒キングの行動範囲を狭めることを考えます。
ただし 4.Ba2? とすると、4...Ke4 で黒キングが追いつめていく逆方向に逃げてしまうので、このような場合は白キングを動かして 白マスビショップが a2 - g8 ライン上に移れる状況に持っていきます。

4.Kd2 Ke6 5.Ke3 Kf7 6.Kf4 Kg8 7.Kg5 Kf7 下図



ここで 8.Ba2+ とすれば OK です。


8.Ka2+ Ke7


今度は黒マスビショップを a3 - f8 ライン上に持って行くことを考えます。上局面ではすぐ 9.Ba3+ と
できます。


9.Ba3+ Kd7


次に白マスビショップを a4 - e8 ライン上に運びますので、まず 10.Bb3 とします。


10.Bb3 Kc6


タイムプレッシャーから、11.Ba4+? Kd5 などとならないように気をつけましょう。ここは白キングを
黒キングに近づけていきましょう。


11.Kf5 Kb5 12.Ke5 Kc6


これで 13.Ba4+ が可能となります。

13.Ba4+ Kc7 14.Bb4 Kd8 15.Ke6 Kc7 16.Ba5+ Kb7 17.Ke6 下図



ポイント4
上図のように2つのビショップを端から4列目に並べるのがパターンとなります ( 追いつめていく
角から4列目 )。2つのビショップが d8 と d7 にあっても同じパターンです。

ここからメイトに持っていくパターンは、下記リンク先の方法が1番覚えやすそうです。
ももチェス王国の侵略!! KBBK教室!! 
http://makedoodle.blog.fc2.com/blog-entry-570.html

個人的な感覚としては白キングを c8 に持っていきたいので、ここではそのパターンで見ていきます。

17...Kc8 18.Kd6 Kb7 19.Kd7 Kb8


この時点で黒キングは 4マスしか動けません。さらに黒キングの行動範囲を狭め、白キングを c8 へ運ぶために 20.Bc7+ とします ( a6 を支配している Bb5 は動かさず )。

20.Bc7+ Kb7 21.Kd8 Ka7 22.Kc8 Ka8 下図



黒キングが2マスしか動けなくなり、メイトまであと少しです。ステイルメイト ( 23.Bb6?? ) に十分気をつけましょう。
23.Bd6 Ka7 24.Bc5+ Ka8 25.Bc6# 下図






ちなみにこの局面で 1.Bd6? とすると、1...Kb6 で逃げ道を与えてしまうため
この場合は、1.Ba5 Ka8 2.Bb4 Ka7 3.Bc5+ Ka8 4.Bc6# とします。


参考例として始めの局面に戻ると、1.Bc3+ Kf4 となった場合。

1.Bc3+ Kf4


先程とは黒キングを追いつめていく方向が異なるため、このような場合、黒キングを h1 へ追い込んでいこうとするより、2.Bd3 として黒キングを h8 へ追い込んでいく方が、自分の知っているパターンを適用しやすいため、手数は長くなったとしても、短時間でメイトしやすいと思います。コンピューターと対戦すると実感できます。


追記 ( 2014. 7. 11 )

ChessKid.com の記事でなるほど! と思ったメイトの方法を知りました。本などに記載されている方法はこれっぽいですね。

Basic Checkmates: Two Bishops and a King - ChessKid.com
http://www.chesskid.com/article/view/basic-checkmates-two-bishops-and-a-king

こんど試してみますが、自分で覚えた方法がやはりいいです^^


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