French Defence の戦い方


大抵のオープニングは使っているうちに攻め方が分かってくるものですが、黒番で French Defence だけは戦い方が全くと言っていいほど分からない状態だったので、starting out: the french と Mastering the French の2冊の本を読み、3週間ほど集中的に勉強しました。

本を読むだけではなかなか頭に入らないので、各変化ごとに白、黒それぞれポイントとなるようなことを紙にまとめました。それでもすぐに忘れてしまうことが多いと思うので、日々のゲームで各変化となったときにメモした紙を読み返そうと思ってます。

短期間の勉強でしたが、勉強する前よりも French Defence の戦い方が少しつかめてきましたし、勝率も良くなったため French Defence を使うのが楽しくなりました。

素人考えですが今のところ自分で思う French Defence の戦い方について記載します。


1.e4 に対して 1...e6 とする意味
恥ずかしながらこれすら分かっていませんでした。ここからまず理解しておくことは大事だと思います。

1.e4 に 1...e6 とすれば Bc8 の展開を妨げてしましますが、2...d5 と続けて solid structure( 堅固なポーンストラクチャー )を築くことができます。


キャスリングを急がない
白がキャスリングを済ましてしまうと黒もキャスリングを急ぎたくなりますが、焦る必要はありません。ただし Exchange Variation でセンターが開いた時は、キャスリングが遅れることに注意が必要だと思います。

黒はすぐに 0-0 すると B x h7+ のサクリファイスからすぐにメイトされる可能性もあります。
変化によって 0-0-0 やキャスリングしないことも多いです。


Bc8 をどう活用するかが1つのテーマ
白の白マスビショップと交換するのは悪くないですが、e6 ポーンを守っている役目などもあるため安易に交換しないほうが良さそうです。ただし、エンドゲームでこの Bad Bishop が残って不利となることは避けねばなりません。

two bishops がエンドゲームで役立つ場合もあるので、安易に白のナイトと交換することも避けたほうが良いでしょう。


黒の黒マスビショップ
Winawer Variation では白のポーンストラクチャーを崩すため白のナイトと黒の黒マスビショップを早期に交換しますが、他の変化では黒の黒マスビショップを白の黒マスビショップやナイトと安易に交換することは避けた方が良いでしょう( 有利となる交換はもちろん OK )。黒は黒マスビショップを失うと黒マスに対して弱くなってしまいます。


c ファイルを活用する
c5 x d4 で c ファイルが開いたら、黒は c ファイルにルークを置いてオープンファイルを活用する。
私の場合、ゲーム後半で c ファイルを支配して有利を得ることが多いです。


...f6 とする場合はタイミングに気をつける
...f6 から e x f6 となると e6 ポーンが弱くなるため十分注意が必要。
しかし ...f6 が有効な場合も結構ある。


オープンファイルだけでなく、オープンな斜線、オープンとなったら活用できそうな斜線に注目する


だいたいこんなところです、後は各変化ごとにピースやポーンの使い方、狙いどころなどがあります。


French Defence の本について( 全て洋書 )

starting out: the french - Byron Jacobs
入門書としてなかなか良いと思います。


Mastering the French - Neil Mcdonald and Andrew Harley
必読書。ポーンストラクチャーのタイプによって各章が構成されています。ピースやポーンの使い方、狙いどころなどが丁寧に解説されています。


ATTAKING CHESS THE FRENCH - Simon Williams
French Defence は攻撃的な面もあると聞きますが、自分では後からジワジワ反撃するイメージしかないため、どのように攻撃するのか知りたくて購入しました。

最近購入したばかりでまだ部分的にしか読んでませんが、全てを読みたくなるような本です( 中級者向き )。各変化のゲーム解説が主な内容ですが、変化よりも解説が多いので読みやすく勉強になりそうです。

著者曰く
" I have tried to pick the most aggressive, exciting and sound variations that are playable for Black in the French Defence. "

Rubinstein Variation は含まれていません。


WINNING WITH THE FRENCH - Wolfgang Uhlmann
評判の高い本です。私が French Defence を使いたくなったのは Uhlmann が 1.e4 に対して生涯 French Defence を指し続けたという話を聞いた影響です^^
この本の良さを感じ取れずにいましたが、今また少しずつ読み始めたので最後まで読みたいです。


play the french - John Watson
そろそろ 4th edition が発売されるようです。私が持っているのは 3rd Edition です。評判は良いようですが、解説よりも変化手順が多く記載されているのでレパートリーブックでしょうか。私は活用できてません。


how to beat the French defence - Andreas Tzermiadianos
白番の French Defence 対策で 3.Nd2 Tarrasch Variation を使う内容です。
3...dxe4 となった場合の Rubinstein Variation についての章もあります。


The Flexible French - Viktor Moskalenko
The Wonderful Winawer - 同著者
上級者向きの内容で私は活用できてません。


FRENCH DEFENCE ADVANCE VARIATION VOLUME 1
Evgeny Sveshnikov
Advance Variation を使われる方は持っていた方が良いでしょう。
Vol.2 もあるため購入する際気をつけましょう。


the French advance 2nd Edition - Sam Collins
Advance Variation を使われる方なら持っていても良さそうです。


starting out: king's indian attack - John Emms
自分で KIA を使うことはないですが、相手の人がよく使ってくるため KIA の勉強として購入しました。大抵の French Defence の本には KIA についての章がありますが、KIA の本で学ぶことも良いと思います。KIA vs the French の章があります。


最近 French Defence 以外にも学びたいオープニングのゲームを見る時は以下の項目を特に意識して見ています。

ポーンストラクチャー
ピース、ポーンの使い方
攻め方
争点、攻め所


久しぶりの投稿となりました^^;

コメント